家づくり中の皆様、
「我が家の玄関に窓はないけど大丈夫かな?」
「そもそも玄関に窓は必要なの?」
こんな疑問や悩みを抱えているのではないでしょうか?
そこで住宅設計士として働く私が、玄関に窓は必要なのか?について
- 玄関の窓メリット・デメリットとは?
- 玄関に窓は必要なのか
- 窓が付けられないときの代替案
- おしゃれな窓のある玄関事例
以上の項目に分けてお話ししたいと思います。
玄関の窓のメリット・デメリットとは?
では玄関に窓が必要か考える前に、まず玄関に窓を付けるメリット・デメリットを考えてみたいと思います。
メリット
明るい(日差しが入る)
窓があることで光が差し込み、日中は照明を付けずとも明るい玄関になります。
玄関が明るいと気分が上向きになりますね。
また、明るくすることで同じ面積でも開放感が増すこともポイントです。
換気ができる
これは開く窓の場合に限られますが、窓を開けられると風を通して換気が出来ます。
玄関周辺はどうしても湿気がこもりやすいため定期的に換気をして、いつも気持ちの良い空間にしておきたいものです。
もちろん玄関ドアを開いて換気することも可能ですが、防犯面でも少し心配ですよね。
空間を“魅せる“ことができる
これも間取りや敷地条件に制限がありますが、窓は空間を魅せる役割もあります。
例えば空が綺麗に見えたり、玄関横のお庭が見えたりするとシンプルな玄関も一気に華やかな印象になります。
開放感や玄関のイメージがガラッと変わるのでこのように玄関を魅せるのもオシャレですね。
デメリット
もちろん玄関の窓にはデメリットもありますので見ていきましょう。
掃除が大変
まずは掃除ですね。
窓ガラスは汚れも目立ちやすく、そのため掃除をする場所が増えることがデメリットです。
玄関にはFIX窓(開かない窓)を設けることも多いですが、このFIX窓を高い位置に設けた場合は外壁側の窓掃除の際、かなり高い位置に窓がきてしまい掃除がしにくいので注意しましょう。
防犯面
窓を付けるとそれだけ防犯としてもデメリットになります。
泥棒は窓から侵入するケースがほとんどですので注意が必要です。
そのため、人が入れるサイズ(ガラス幅高さどちらかがおよそ30センチ以上)の窓は防犯ガラスという割られにくい窓にするのも対策の一つですので検討してみましょう。
玄関に窓は必要なのか
ここまで玄関の窓の代表的なメリットとデメリットをご紹介しました。
ここで「玄関に窓は必要なのか。」
この問いに対して私なりの回答は、
「もしお悩みなら、窓はあったほうがいいと思います。」
もちろん明るさや換気も重要ですが、私はメリット3番目の開放感や玄関イメージという点で、窓をオススメします。
後述します対策を取ることで、明るさや換気量はある程度満足することができますが、やはり開放感という意味では窓を設けるのが一番簡単な方法だからです。
開放感というと、”とても豪華な玄関にする“というイメージを抱くかもしれませんが、そうではありません。
玄関というのはお家の中で最小限の面積で作ることも多いため、玄関に窓があると空間が広く感じます。その効果を一番活用してほしいのが玄関なのです。
特に光や庭の緑が見える位置に窓を付けると、視線がそちらに向くので気分もあがりますね、
そのため、もしも間取り的に
・明るく光が差し込む窓
・庭や空を楽しめる位置の窓
を設けることが出来るのなら窓は付けてもいいと思います。
ちなみに窓の役割が光取りのためだけ、という方は、型ガラス(曇り/不透明)を採用すると窓の汚れも気になりにくいですよ。
窓が付けられないときの代替案
窓はあった方がいいという私の持論をお伝えしたところではありますが、なかなか玄関を日当たりの良い位置に持ってくるのは難しいでしょう。
LDKや他のお部屋の日当たりも大切ですしね。
そこで、玄関に窓を設けられない時の代替案についてもお伝えしていきます。
明るさが欲しい→スリット付玄関ドア/センサー式照明
日の光が入らない玄関の場合は、日中も玄関が暗くないように工夫したいもの。
玄関ドアを選ぶ際にはスリット窓や袖窓が付いたタイプを選ぶことで対策できます。
玄関ドアから光を取り入れられるので、日中は玄関が真っ暗にならないので、帰ったとき照明を付けずに家に上がれます。
どうしてもスリット窓付きの窓が好みでないという方は、玄関の照明を人感センサー式のものにすることをオススメします。
人がセンサーに反応して、勝手に照明が付くと、外から帰ってきて手が塞がっていても照明が玄関を照らしてくれますので、窓無し玄関には必須かと思います。
もちろん窓がある玄関でも、夜は日光もなく暗いのでセンサー式照明はオススメです。
換気がしたい→換気扇
窓で換気できない場合は玄関ドアを開けることで換気できますが、防犯面でも不安です。
そこで天井や壁に換気扇をつけることで対応できます。
局所換気扇のように風量が強いものでなくても、今の住宅には24時間換気用の排気口が各部屋にあるかと思いますので、それを玄関にもつけてもらいましょう。
24時間換気用の排気口でしたら音も気になりにくい上、サイズも小さめですので
玄関のインテリアイメージを崩さずに設置できます。
空間を魅せたい→照明や観葉植物を置く
最後に、窓から見える景色を楽しむことが出来ない場合は、玄関内にインテリア性のあるものを置くことで対策できます。
スタンド照明を置いたり、観葉植物を飾ることで玄関をオシャレにできますよ。
スペース的に難しい方は壁にアートを飾るのもひとつですね。
おしゃれな窓のある玄関事例
では最後に窓のある玄関の事例を、それぞれの特徴をコメントしながらご紹介したいと思います。
高い位置のFIX窓
写真:suumo
高い位置の窓なので、まず光がよく入ります。反対に手が届かないので開く窓にはしないケースがほとんど。
開く窓にしたい場合は、電動にするか、窓の端にチェーンがぶら下がりましてそのチェーンで開け閉めするスタイルになります。
また、土間部分に水をかけて掃除した際にも窓ガラスが汚れないのでそこはメリットでしょう!
全体的にスッキリした玄関が好きな方、もしくはインテリア的に何か飾りたい方には特に良いですね!
シャープなスリット窓
写真:あいホーム
こちらは縦長の窓なので、窓1つであれば場所を取らないので採用しやすい形でしょう。
手の届きやすい位置にレバーがあり、窓の開け閉めがしやすいのも嬉しいですね。
一般的には換気が出来る窓にする場合、手の届きやすい位置に窓を配置することや窓自体の形も限られるのでオシャレにするのが難しいのですが、このように3つの窓の形を揃えて等間隔に配置するとスタイリッシュに仕上がります。
地窓
写真:住友林業
庭が大きく作れなくても、窓から庭を魅せることはできます。
それがこのような地窓です。
)人は上から見下げる形となるため、庭の小さい部分しか目に入らないのがポイントです。
外構工事で植栽を植えたり、もしくは植木鉢やプランターでガーデニングを楽しんでもいいと思います。
注意点としては、地窓にすると靴からの泥ハネや土間掃除の際は水ハネが付きやすいので、慎重に検討しましょう。
まとめ
いかがでしたか?
今回は
- 玄関の窓の役割(メリット・デメリット)
- 玄関に窓は必要か?
- 窓を付けられない時の代替案
- おしゃれな窓のある玄関事例
以上についてお話ししました。
玄関は家の顔になる部分でもあります。
窓は必要なのか、いらないのか。
また、どんな窓がお好みなのか。
このあたりについてはイメージを持って設計士との打ち合わせに臨んでいただければ、良いお家づくりが出来るのではないかと思います。
他にも家づくりに関する記事を書いていますので、是非参考にしてくださいね!
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