家づくりをお考えの皆様
「吹き抜けのある開放的なリビングに憧れませんか?」
しかし、
「リビングに吹き抜けがあると寒そう」
「そもそも吹き抜けは何のメリットがある?」
というように、吹き抜けに不安や疑問があるのではないでしょうか。
そこで、住宅設計士の私がリビングの吹き抜けについて
- 吹き抜けがあるリビングのメリット
- 吹き抜けリビングの後悔ポイント
- 後悔しないために知っておきたいこと
以上3点についてお話ししたいと思います。
特に、リビングに吹き抜けを作ろうかとお考えの皆様は、一度ご覧ください。
メリット
まずはリビングに吹き抜けがあることで得られるメリットについてです。
明るい
吹き抜けを作り、高い位置に窓を設置することでリビングにより光が入りますので
室内が明るく感じられるでしょう。
そのため隣宅との距離が近く、1階のリビングになかなか日の光が入らないお家では
吹き抜けを作ることで、2階部分からの光を取り入れられて明るいお部屋にすることができます。
広く感じる
吹き抜けがあると、その部分の天井が高くなりますので開放感が増して部屋が広く感じられるのもポイントです。
そのため希望の広さのLDKが確保できない場合など、広さに物足りない時は検討しても良いかもしれないですね。
家族のコミュニケーションが増える
吹き抜け部分に階段があったり、吹き抜けによって1階から2階の様子が見える場合には
LDKと2階を緩やかに繋げてくれるので、自然とコミュニケーションが図れる間取りになります。
お子様の帰宅時、あなたがリビングにいても必ず目に入りますし、
声も届きやすいので家全体のコミュニケーションが密になりやすいです。
吹き抜けリビングの後悔ポイント
リビングの吹き抜けには、メリットもたくさんありますがもちろんデメリットもあります。
それではデメリットについてもお伝えしていこうと思います。
ここでは、吹き抜けリビングを作った人の中で、“吹き抜けリビングで後悔した部分“に挙げられた項目で上位に上がるものを書いていきます。
寒い
まずもっとも多い後悔ポイントは寒さについてです。
吹き抜け部分は天井がかなり高くなっているので、部屋の暖気が部屋の上部に登ってしまうことで、生活部分の気温が下がってしまうことが挙げられます。
そのため冬場はエアコンの風量を通常よりも上げておかなければいけない。といったお声を聞くことがあります。
吹き抜けによって部屋の容積は大きくなるので、エアコンの容量も部屋の畳数よりも大きめのものを取り入れることになるでしょう。吹き抜けを作ることでより大きなエアコンの機器代が必要になるわけです。
音が響く
次に、音についての後悔ポイントです。これはLDKで発生した音が2階の各お部屋に聞こえやすいがために、お子様が寝にくい。という声が最も多いでしょうか。
吹き抜けが1階と2階を緩やかに繋ぐ役割をはたしますが、それゆえ1階と2階の音は聞こえやすくなります。
ご家族の生活リズムが違う場合や、音に敏感で寝にくい方は特に注意が必要です。
掃除が大変
3番目に多く聞かれるのが掃除についてです。
吹き抜け部分にある窓や照明などは脚立を使用したとしても届かないことがほとんどですので、正直掃除はできません。
そのため掃除をする際には専門業者に依頼して掃除していただく形となり費用が発生します。
そのため吹き抜けに窓や照明を設ける場合は、あまり掃除が出来ないことをあらかじめ考慮しましょう。
ちなみに掃除を頻繁にするのは嫌だという方は、窓を透明ガラスではなく刷りガラスにすることで汚れが目立ちにくくなりますよ。
後悔しないために知っておきたいこと(デメリットの対策方法)
最後に、吹き抜けを設置して後悔しないために知っておいてほしいこと・対策方法などをご紹介したいと思います
転落防止対策をする
お子様がいらっしゃる、もしくはペットを飼っているご家庭で、
間取り的に吹き抜け部分が2階の廊下に繋がっているなど、転落の危険がある場所には、きちんと転落防止の対策が必要です。
建築としてできる対策といえば、
手すりはスケルトンのものではなく腰壁にすることや、その腰壁自体も高さを高くして登りにくくすることが考えられますが、
見た目の好みでスケルトンの手すりにしたい方もいらっしゃるでしょう。
その場合、お子様の小さな間は手すりにネットやパネルを張ることで対策できますし、
手すり付近に踏み台になる物を置かないことも重要ですね。
近年、階段もスケルトンのものが人気になっていますが、こちらについても踏板の間が開いておりお子様やペットには危険も多いので、同様にネット等で対策しましょう。
シーリングファン/床暖房を設置する
吹き抜けのデメリットといえば寒さだとお伝えした通り、寒さ対策は必ず考えたほうが良いでしょう。
対策としては、
①シーリングファンを付ける
②床暖房を取り入れる
が一番効果的なのではないかと私は考えています。
もちろん、家の性能として断熱気密性が良く、十分な容量のエアコン機器を導入するのは前提としてです。
シーリングファンは、天井付近の暖かな空気を攪拌してくれる役目があります。
そのため暖房をつけたものの、暖気が天井に流れてしまい、足元は冷えるという現象が少しは改善されるでしょう。
シーリングファンを導入することで部屋全体の空気が循環するので換気的にもメリットはありますが、ファンを動かす電気代がかかることはご承知くださいね。
また、床暖房も寒さ対策に効力を発揮します。
床暖房は電気式・温水式などいくつかタイプがありますので、床暖房の詳しい解説はまたの機会にと思いますが、床暖房は足元からしっかり温めてくれるので吹き抜けがあるお部屋には、かなりオススメです。
こちらも電気代もしくはガス代がかかるのはデメリットですが、寒さが心配だけれどリビングに吹き抜けを作りたい方は是非床暖房を検討してください。床暖房はあるのと無いのでは、部屋の体感温度が全然違いますよ。
壁に断熱材を入れる
断熱材ときくと、先ほどの寒さ対策かな?とお思いかもしれませんが、そうではありません。
実は断熱材は断熱性能はもちろんのこと吸音性能もピカイチなのです。
なので断熱材を2階のお部屋の壁に入れることで、リビングで発生した音を2階の各お部屋に届きにくくする効果があります。寝室や書斎など静かに過ごしたいお部屋が吹き抜けの近くにある場合は、是非検討していただけたらと思います。
余談ですが、トイレの音が廊下やお部屋に漏れることが心配な方についても、この方法がベストかと思います。”トイレの壁に断熱材“も是非覚えておいてください。
専門業者でメンテナンスをしてもらう
最後に吹き抜け部分の掃除や器具交換についてです。
吹き抜けの上部は手が届かないので、なかなか掃除や照明器具交換などが難しいところ。
そのため、メンテナンスは専門業者に頼むことになるでしょう。
もちろん費用もかかりますし、
業者の方に家に入ってもらう必要がありますから、日中はあまり自宅にいない方は日程を調整するのも難しいでしょうね。
ちなみに間取りにもよりますが、吹き抜け部分の掃除や器具交換などは、床に足場を組み立てて作業することになるケースがほとんどですので、意外にも費用が発生するとご留意ください。
長いクイックルワイパーなど、ご自分である程度は掃除できるか確認しておきましょう。
まとめ
この記事では
- 吹き抜けがあるリビングのメリット
- よくある後悔ポイント
- 後悔しないために知っておきたいこと
についてお伝えしてきました。いかがだったでしょうか。
吹き抜けに憧れをお持ちの方も多いと思います。
とても開放的で明るい空間になる一方で、転落の危険や日々のメンテナンスなどデメリットもあります。
メリットとデメリットの両方をしっかりと理解した上で検討していただければと思います。
家づくりの関連記事もたくさん書いていますので是非参考にしてくださいね。
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