人造大理石は耐久性も高い上にデザイン性も良く、価格も手頃であることから、近年キッチン設備に使われることも多い素材です。
しかしシンクに人造大理石が使われることになったのは、15年ほど前からですので比較的新しい素材かもしれません。
そのため、人造大理石のシンクに不安を覚える方も多いでしょう。
そこでこの記事では、
「人造大理石(人工大理石)のシンクってどうなの?」
とお悩みの方に、
- 人造大理石(人工大理石)とは?
- 人造大理石シンクのメリット
- 人造大理石シンクのデメリット
- 人造大理石シンクの主なキッチンメーカー
について書いていこうと思います。最後までご覧ください。
人造大理石(人工大理石)とは?
キッチンのワークトップの素材としては一般的な人造大理石(人工大理石)ですが、素材について詳しく知らない方も多いと思います。
人造大理石と言っていますが、素材は石ではなく、樹脂が主成分の人工素材です。
海外の設備メーカーの中には、鉱物を使用した人造大理石もありますが、日本の住宅設備メーカーのほとんどは、樹脂系のものを成形して作成していると思われます。
そして、人造大理石にはアクリル系樹脂とポリエステル系樹脂の2種類がありますが、耐熱性に優れたアクリル系樹脂が主流です。
また、同じような素材を使用していても人造大理石と呼ぶメーカー、人工大理石と呼ぶメーカーが混在していますし、人工物であるがゆえに素材自体も各メーカーごとに独自のものを開発していますので、そのあたりはご了承くださいね。
人造大理石シンクのメリット
では、人造大理石のシンクを採用するメリットについて考えてみましょう。
細かなキズが付きづらい
シンクの素材で、人造大理石以外といえばステンレスですが
ステンレス製のシンクの場合は、ステンレスの表面に細かなキズが付きやすいです。
一方で、人造大理石の場合は細かなキズがつきにくいですし、付いたとしても目立ちにくいのがメリットと言えます。
そして、人造大理石は研磨することも可能なので、キズが付いた時にはヤスリで削るとキズを隠すことも可能です。
色を選べる
人造大理石の場合は、カラーバリエーションも豊富に揃っていることから、好みやキッチンの雰囲気に合わせてコーディネートできることもメリットかと思います。
ホワイト色が一般的な色かと思いますが、その他にも、グレーやベージュ、水色やピンクなどの豊富なカラーバリエーションがあるメーカーがほとんどです。
比較的柔らかい色味が多いですが、もしかしたら今後はカラーバリエーションがより豊富になってくるかもしれませんね。
人造大理石シンクのデメリット
人造大理石のシンクにはメリットはもちろん、デメリットも存在します。
デメリットについても見ていきましょう。
変色がある
人造大理石は、ホワイト系色の美しい模様が特徴ですが、
白色は特に、経年変化や紫外線による劣化で変色する可能性があります。
そして、シンク部分特有かもしれませんが、色の濃いものを流した後にそのままの状態で放置すると、食品の汁の色素が沈着してしまうこともあります。
例えば煮物や、キムチ鍋の汁を流したあとは、水でシンク内をすすぐようにすると安心です。
硬いものを落とすと割れる可能性も
先ほどもお伝えしましたが、人造大理石は樹脂でできているので、本物の石に比べて素材が弱くて割れやすいのもデメリットといえます。
また、ステンレスは柔らかいため凹みはあれど割れることはないので、
割れるというのは人造大理石が持つ唯一のデメリットです。
とはいえ、普段使いの中で割れることは滅多にないのですが、例えば
シンク上部に吊戸収納があり、その中に重くて硬いものを収納していた場合などに多いでしょうか。
手が滑って高い位置から硬いものを落としてしまうと、人造大理石が割れてしまうことも考えられます。
近年は、人造大理石という素材の中にも耐衝撃性の優れているものが出ていたりしますし、人造大理石自体も厚くすることで対応しているメーカーもありますので、こちらも以前より改善されてきているとは思います。
耐熱性に不安がある
最後に、耐熱性についてです。
ステンレス性のシンクに熱湯をかけるとポコッポコッと凹みが発生するので、ステンレスは熱に弱そうというのは感覚的にお分かりかもしれません。
人造大理石は、ステンレスほど気を遣う必要はないのですが、やはり本物の石ではないため、熱い鍋などを長時間置いてしまうと、変形や変色の可能性があります。
とはいえ人造大理石ではおおよそ200度程度が耐熱温度とされていますので、熱湯を流すだけならシンクの素材自体には影響は少なそうです。(配管傷める危険性があるので流水をオススメします)
人造大理石シンクの主なキッチンメーカー
ここまで人造大理石のシンクについてメリットとデメリットをまとめてきました。
ここでは、人造大理石のシンクを取り扱っている住宅設備メーカーはどこがあるのか見てみましょう。
クリナップ
クリナップはステンレス製キッチンが有名ですが、独自素材であるクリストンシンク(人工大理石)のシンクもあります。
シンク内の水を排水口に流しやすくした流レールシンクも有名ですが、この構造を人工大理石シンクにも採用しています。
シンクのカラーはシリーズによりますが3〜5色展開で、くすみ系など現代的なカラーがあります。
写真:クリナップ
TOTO
TOTOといえばトイレや洗面台のイメージかもしれませんが、キッチンにも力を入れています。
TOTOキッチンでは、ワークトップのクリスタルカウンターやきれい除菌水が搭載できるのが特徴で、シンクに関しては“すべり台“のような傾斜がついていますので、ゴミを排水口に流しやすい工夫がされています。
カラー展開はおおよそ5色で、他メーカーよりは淡い色使いなのかなと思います。
写真:TOTO
トクラス
トクラス(旧 ヤマハリビング)は、日本で最初に人造大理石の素材を作りキッチンを販売してきた会社です。
そのため人造大理石という素材にとても注力しており、人造大理石に特殊なコーティングをして耐衝撃性を高めた素材もあります。他メーカーと同様にキッチンのワークトップやシンクを一体にしたシームレスな仕上げに出来るのも嬉しいポイントです。
人造大理石のワークトップでは他メーカーよりも厚みがあるので重厚感がありますし、人造大理石といえばトクラスと考える方もいるみたいですね。
カラー展開はシリーズ毎や毎年改訂がありますが、おおよそ7〜8色で、可愛いカラーと馴染みやすいカラーからお選びいただけるようです。
写真:トクラス
パナソニック
パナソニックのシンクは、ステンレス・人造大理石の他にも有機ガラス素材のラクするーシンクから選べます。
ラクするーシンクは、人造大理石のステンレスのいいとこ取り素材で、人造大理石より硬さとお手入れのしやすさが特徴です。
人造大理石シンク・ラクするーシンク共にワークトップとのシームレスな仕様にできますので、お手入れは楽々です。
カラー展開は、ベーシックな4色で、唯一ブラックのカラーが選べるのが特徴です。
写真:Panasonic
リクシル
リクシルのキッチンは、天板は人造大理石の他にセラミックやステンレス製のものがあります。シンクについてもステンレスと人造大理石が選べることが多いです。
ワークトップとシンクをどちらも人造大理石にした場合は、継ぎ目のない仕様にできるので、お手入れもしやすいです。
シンクのカラーも2シリーズ合計8色で、ポップ系から落ち着いた色までバリエーションが豊富です。
写真:LIXIL
まとめ
この記事では、
人造大理石のキッチンシンクってどうなの?
という疑問をお持ちの方に
- 人造大理石シンクのメリット・デメリット
- 人造大理石シンクを採用する設備メーカー例
をご紹介してきました。
いかがでしたでしょうか?
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