一般的に住宅では、脱衣所を設けることは比較的少なく、洗面室が脱衣室を兼ねているケースを多く見かけます。
それは、住宅という限られた大きさの中で水回りをまとめて、他のスペースを有効活用するという発想があったためです。
しかし、近年の家づくりでは脱衣室を個別に設ける間取りが人気を高めています。
そこで、この記事では
「うちに脱衣室って必要かな?」
「脱衣室を作るメリット・デメリットを知りたい」
そういった疑問や要望に応えるために
- ・脱衣室(脱衣所)をつくるメリット
- ・脱衣室(脱衣所)をつくるデメリット
- ・脱衣室が作れないときには
これらについてまとめていきたいと思いますので、最後までご覧ください。
洗面所と脱衣所の役割
これまで洗面脱衣所として同じスペースに共存していた洗面所と脱衣所ですが、役割は全く異なっています。
まずはそれぞれの役割から見ていきましょう。
洗面所は、洗面台がありますので帰宅時の手洗いはもちろんのこと、掃除前後や身支度のときなど、使用時間は短いものの生活の中で使用頻度は高い場所ですね。
一方で脱衣所は着替える場所となりますので、入浴時と朝の着替えのときくらいしか使いません。
また、脱衣所は洗面所とは違い、着替えというプライベート空間として使用する部分ですので、使用頻度は高く無いもののあまり見られたくない場所ですね。
このように、必ずしも共存する必要の無いのが洗面所と脱衣所ですので、これらを分けた間取りにもメリットがたくさんあります。
脱衣室(脱衣所)をつくるメリット
家族が入浴中でも洗面所を使える
1番大きなメリットは脱衣所と洗面所を同時に使うことができる点だと思います。
この間取りのように、お風呂の前に脱衣所を設けることで、洗面台を気兼ねなく使うことのできます。
特に、思春期のお子様がいらっしゃるご家庭では、「お子様の入浴中に他のご家族が洗面台を使いにくい」といったお声がよく聞かれます。
特に朝入浴されるご家族がいらっしゃる場合も、身支度の時間と重なるので、不満に感じる場合があるようです。
こういった間取りですと、家族それぞれの生活ペースを乱さずに快適に生活できるので、ストレスを感じにくくなるでしょう。
室内干しも邪魔になりにくい
洗濯物を部屋干しをされる場合で、これまで洗面脱衣室に干していたご家庭にもメリットがあります。
脱衣所をランドリースペースとして活用できれば、洗面台を使うときに洗濯物をかき分けて移動しなければならない、といったこともなくなります。
また、来客時にも脱衣所の扉を閉めることが出来れば、干したままの洗濯物を見られずに洗面台を貸すことができますね。
来客時に洗面台を使ってもらいやすい
脱衣スペースは入浴後のタオル置き場や脱衣カゴなど、物も多いがゆえにスッキリ見せるのは難しいですよね。脱衣所を洗面台から独立して計画することで、洗面台周りには物を置かずにスッキリ見せることも可能です。
今や手洗いうがいは当たり前の習慣になりましたので、洗面台を気兼ねなく貸せるのは嬉しいですね。
脱衣所(脱衣室)をつくるデメリット
次に、脱衣所を個別につくるデメリットも見ていきましょう。
別々に広いスペースが必要
洗面所と脱衣所を洗面脱衣所として同じ空間に計画する場合、2帖(畳2枚分)程度の広さで計画することが多いですが、その広さで洗面所と脱衣所を分けてしまうと、どちらの空間も窮屈で使いにくいスペースになってしまう恐れがあります。
そのため最低限のスペースで計画したとしても、脱衣所のスペースは1帖、洗面所スペースは少し広めに1.5帖程度必要です。
余裕を持った計画であればどちらも最低1.5帖ずつは欲しいところです。
洗面所と脱衣所をどちらも1.5帖ずつ確保できれば、洗面所には幅広めの洗面台を設置できますし、脱衣所には洗濯機の他にある程度の収納も置けますね。
つまり、脱衣所を洗面所と分けるというのは、洗面脱衣所としてのスペースよりも広くなってしまうのです。もちろん、住宅の広さには限りがありますので、その分どこか他のお部屋や収納などにシワ寄せがきてしまうことは考慮しましょう。
費用がかかる
先程お伝えしたように洗面所と脱衣所を分けると、洗面脱衣所のときに比べ広さが必要になります。そのために、住宅全体を大きくすることになると、もちろん費用が発生してしまいます。
また洗面所と脱衣所の間を、壁もしくは扉やロールスクリーンで区切ることになるかと思いますが、それらも数万円程度予算を見ておきましょう。
動線が長くなる
脱衣所を洗面所からお風呂までの動線の間に計画する場合、廊下やLDKから脱衣所までの動線は長くなります。
洗濯機を脱衣所に設置する場合など、ちょっとしたことではありますが、普段の生活動線が不便でないかも考えておきましょう。
洗濯機から洗面台が遠くなる
これは盲点になりやすいのですが、
デリケート素材のお洋服をいきなり洗濯機で洗濯するのではなく、洗面台で手洗い洗濯してから洗濯機では脱水のみ短時間回す、という洗濯の仕方をしている方もいるのではないですか?
もしくは、お子様の運動着など頑固な汚れを落とすときにも、手洗いで予洗いしてから洗濯機で洗濯しますよね?
このようにデリケート素材の洋服や頑固な砂汚れが気になる洋服など、洗面台で手洗いした後に洗濯機に入れることがあるご家庭でも注意が必要です。
洗面所と脱衣所を分けてしまうと、洗面台と洗濯機の距離は遠くなりやすいです。そのため、手洗い後の濡れた洋服を洗濯機に入れるまで、床にポトポトと雫を垂らすことにもなってしまいます。
脱衣所に洗濯機を設置する場合は、洗濯機近くに洗面台を持ってくる。もしくは追加で洗濯用のスラップシンクを設けることをオススメします。
無駄なく脱衣所と洗面所を分けたいときの方法
洗面所と脱衣所を分けた間取りにしたいけど、スペース的にちょっと難しいかも、、
LDKなど他のスペースも出来るだけ確保しながら、洗面所と脱衣所を分けたい
そういった場合はどうすればよいのか。
対応策として一例をあげるとすれば
洗面脱衣所を脱衣所として利用し、洗面台は廊下に設置することです。
廊下であれば、普段から人が通るスペースですのでスペースも最小限で済みますし、お客様や家族もいつでも気兼ねなく使うことができます。
そうすれば洗面脱衣所には洗面台を置きませんので、脱衣所としてプライベートにお使いいただけます。
ただ、この場合には注意点もありますので、見てみましょう。
【注意点1】デリケート素材の洗濯に困る
まず1つ目の注意点は
洗濯機を脱衣所に置いたとすれば、手洗い洗濯した後に洗濯機までの距離が長いことです。
先程のデメリット3個目にも挙げましたが、洗面台と洗濯機の距離をあまり長くするのはオススメしません。
ですので、廊下の洗面台は洗濯機から離れすぎていないか、もしくはスロップシンクを設けるのかは事前に検討しておきましょう。
【注意点2】洗面台は常にピカピカにする必要アリ
洗面台を廊下の目に留まりやすい場所に設置した場合、お客様が来られたときに必ず見られることとなります。
来客が事前に把握できている時は問題ないのですが、玄関からLDKまでの間に設置した場合などで、急な来客があったときに掃除が出来ていないとアタフタしてしまうと思います。
共働きのご家庭や小さいお子様がいるご家庭など、多忙でなかなか毎日お掃除するのは難しい方も多いはず。
そのため廊下の見えやすい位置に設置する洗面台も注意が必要です。
まとめ
この記事では、
脱衣所と洗面所を分けるかどうかお悩みの方に、
脱衣所を分けるメリット・デメリットをお伝えしてきました。
いかがだったでしょうか?
家づくりの中でも後悔の多い水回りのお悩みですので、じっくり考えて結論を出していただければと思います。
このブログでは家づくりについて記事をかいていますので、是非参考にしてください。
【参考記事】
洗濯機は防水パンなしで大丈夫?|設置しないメリット・デメリット4選
コメント