家づくりをお考えの皆様、お家の間取りは決まっていますか?
間取りを決める際、LDKや寝室などのお部屋に気を取られすぎて、余った場所にトイレを計画していませんか?
実はトイレがお家のどこにあるのかはとても重要です。
なぜなら、トイレは“匂い”や“音”に注意する必要があるからです。LDKのすぐ隣にトイレを計画しまったことで、生活していて音が気になるというようなトイレに関連した後悔のお声は実際よく耳にします。
そこで今回は、トイレの位置を決める際に注意することについて書きたいと思います。
トイレの位置を決める時のポイント【5選】
家の間取りでトイレの位置を決める際、注意してほしいことは「数」「設備」「広さ」「音・匂い」「風水」の5つです。
ここからはこの5つの項目ごとにポイントを見ていきます。
数
トイレはお家の中にいくつ必要か、というのがまずは重要です。
コンパクトな平屋の場合は1つでも良いかもしれませんが、
2階建ての場合は1階と2階にそれぞれ1個ずつの計2つがオススメです。
2階にトイレがあることで、夜中トイレに行くときに階段を降りる必要がないので、危険も少ないですし、
家族がそれなりに多い場合も2つあることで、朝の身支度時などでも混雑せずに済みます。
逆に家族が少ない場合や、家自体がコンパクトで他のお部屋にスペースを使いたいときは、トイレを1個にするという選択肢もあるかと思います。
設備
トイレの便器をタンク有りにするのか無しにするのか、ふたは自動オープンなのか、といった機能面はもちろんですが、ほかにも必ず使用するのが手洗いです。
トイレに手洗い器が付属していれば設置は不要ですが、タンクレストイレなど手洗いが付いていないトイレの場合は手洗いをどこでするのか考えてみましょう。
トイレを出てすぐに洗面台がある場合は、トイレ内の手洗い器は必ずしも必要ではありません。
またトイレ内に手洗いがないことで、掃除する箇所も少なくなるのは嬉しいです。
しかし洗面台がトイレから離れている場合や、洗面所が近いとしてもトイレ内で手を洗いたいという方は、手洗い付きのトイレもしくはトイレ内に手洗い器を設けるようにしましょう。
広さ
一般的な戸建て住宅のトイレの広さは1帖サイズ、つまり畳1枚分の大きさで計画するケースが多いと思います。
部屋の中で実際に動けるスペースとしては、奥行き170cm×幅80cm程度だと思ってください。
便器のサイズはおおよそ奥行き70〜80cm程度なので、トイレを1帖サイズで計画すると、便器に座った時に圧迫感もなく余裕があると考えられます。
賃貸マンションなどコンパクトなサイズにする場合は奥行きを1帖サイズの3/4程度まで縮めて、奥行き120〜130cm程度で計画することもあります。
逆に介護や子育てのためにトイレは広めに計画したいという方は、1帖よりも幅を広く1.5帖程度確保することも考えられるでしょう。
音・匂い
トイレはどうしても音と匂いが発生してしまうため、生活スペースからは離して計画することが重要です。
避けたい場所としては、家族団欒するリビング近く、そして食事をするキッチンやダイニングの近くです。
トイレをこれらのお部屋のすぐ隣に計画してしまうと、音や匂いが漏れてくる可能性がありますし、もしもトイレの扉が部屋から見えやすい方向に付いていれば、来客時などに視線が気になってしまうこともありそうです。
そして、トイレを流した音は壁隣の部屋はもちろんのこと、真下の部屋にも響きやすい傾向があります。
そのため、2階のトイレの真下がリビングやダイニングである間取りには注意が必要です。
上階のトイレの位置を決める際は、真下の階の間取りがどうなっているのかも考えるようにしましょう。
風水
知らなくて後悔しないために、知っておきたいのが風水や家相についてです。
トイレの位置は風水にも大きく関わっています。
そもそもトイレに吉相はなく、配置することで良い影響をもたらす場所は存在しないのですが、悲しいことに風水上、悪影響を及ぼす場所があります。
避けるべきトイレの位置としては、
- 北東の角である「鬼門」
- 南西の角である「裏鬼門」
- 家の中心部分(中心から90cm以内)
の3箇所と言われています。
鬼門や裏鬼門にトイレを配置すると、健康に悪いとされていますし、
家の中心部分は金運や健康運など全ての運気に悪影響とされています。
間取りに融通がきくようであればこの3箇所以外の場所に計画するようにしましょう。
その他のトイレの失敗事例
ここまで、トイレの位置を決める際に考えることをまとめてきました。
ここでは、上述したポイントとは別の角度での失敗事例として、
必ずしも避けるべきとは言いませんが、失敗したと感じるかもしれない事例を3つ紹介します。
【NG1】窓なしトイレ
まずは、最近メジャーにもなってきた窓のないトイレについてです。
実は換気扇が付いているのならば、窓がないことにほとんど問題はありません。
問題となるのは、家の外壁に面していないトイレの場合です。間取りでご紹介すると下のような場合ですね。
このようにトイレが外壁に面していない場合、家の下の排水管に詰まりが起こってしまう可能性が高くなります。
排水管の距離が長くなり、曲がる箇所が多くなればなるほど、トイレに流したものが詰まりやすくなるのは感覚的に分かりやすいかと思います。それが家の下で起こってしまうと、業者の方を呼んで調査するだけで一苦労です。
最近は節水型のトイレが一般的になっていることもあり、流す水の量も少ないですし、トイレの排水経路はどうなっているのか、確認するのも良いかもしれません。
【NG2】トイレのドアは引き戸
トイレの扉は引き戸か開き戸どちらの場合もあるかと思いますが、引き戸にするのはオススメではありません。
なぜなら、開き戸よりも引き戸は遮音性が低く、音が外に漏れやすいからです。
特にリビングなどのお部屋近くにあるトイレの場合などは開き戸にすることで、音漏れを感じにくくなるのでオススメです。
・・・しかし、実は引き戸にもメリットはあります。
例えばこの間取り図のように、戸当たりが付けられないことで、靴箱や手洗い器にドアが当たってしまうような時↓や
ドア同士が当たる場合や収納の扉と当たってしまう時にも↓
他にも廊下が狭いことで、ドアが通行人に当たって危ない可能性があるときなど、
こういった際には引き戸にする方がいいこともあります。↓
また、介護や子育て時も、引き戸ですと開けっぱなしにしても閉まってくることはありませんし、扉を開けた時に通れる幅も少し大きいので、便利なこともあります。
そのため、トイレの扉は引き戸が絶対ダメということはなく、ご家庭に合わせて適切な扉を選ぶことが重要ですね。
【NG3】玄関すぐのトイレ/洗面脱衣所から入るトイレ
玄関すぐ横にトイレがある間取り、もしくは洗面脱衣所から入るトイレの間取りはよくあるのですが、これも後悔する人が多いです。
玄関すぐ横のトイレで不便に感じるのは来客時で、玄関先で家族が来客の対応をしているとき、すぐそばのトイレに行くのはなかなか気が引けるのではないでしょうか?
【間取り添削】玄関そばのトイレはアリ?デメリットを解消する間取りに
同様の考え方で
洗面脱衣所を通って入るトイレは家族の誰かが入浴後で洗面脱衣所を使っているタイミングではトイレに行きづらいかもしれません。
トイレが家の中に2個あれば問題ありませんが、1個だけにしようと考えている方は
玄関すぐ横のトイレや洗面脱衣所を通って入るトイレには注意したほうがいいかもしれません。
まとめ
この記事では、トイレの間取りを決める際に注意してほしいポイントについてまとめてきました。
トイレは後回しにされがちですが、プライベートな空間を守るためにも事前にしっかり考える項目が多い場所でもあります。
失敗事例なども参考にしていただき、快適に過ごせる家づくりをしていただければと思います。
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