住宅の新築やリフォームに合わせてランドリールームを作りたい!そうお考えの皆様、
ランドリールームはとりあえず作ったけど、充分検討しなかったせいで
「こんなはずではなかった」と後悔したくないですよね?
ランドリールームは「洗濯する」「干す」「畳む」「収納する」など洗濯全般を同じ空間で行うことが可能ですので、とても便利で家事の時短にも役立つので嬉しいですが、毎日使う空間だからこそ、上手に空間を計画しないとかえって使いづらくなってしまいます。
そこでこの記事では、住宅設計士をしております私が耳にする“ランドリールームのよくある後悔・失敗事例”をまとめていきます。
実際、後悔や失敗だと感じる事例の多くは「間取り」と「設備」の問題が原因となっていますので、「間取り編」「設備編」に分けてご紹介しますね。
ランドリールームで後悔しないためにも、よく確認しておきましょう。
そもそもランドリールームを作るかどうか悩んでいる方はコチラもどうぞ↓
ランドリールームいらない?メリット・デメリット3選を住宅設計士が解説
ランドリールームの後悔・失敗【間取り編】
狭い
ランドリールームの広さが足りない・狭すぎると感じる人は多いです。
間取りや建物の大きさによって想定していたよりもコンパクトなランドリールームになってしまうのはよくあるケースですが、
そのためにランドリールーム内で洗濯物を干すことができず、他の部屋に干すことになってしまうと本末転倒ですよね。最低限に必要な広さを予め考えておきましょう。
ランドリールームの広さについてお悩みの方はコチラをどうぞ↓
ランドリールームの最適な広さは2帖〜3帖!オススメ理由と設計ポイント解説
無駄なスペースがある
「ランドリールームは狭いと使いづらいだろうからとにかく広く!」
そう考えるのも実は危険です。
スペースが広すぎると、サーキュレーターや除湿機も効きづらいので、結果的に洗濯物が乾くまでに時間がかかってしまいます。
また適切な広さで計画することで、他の部屋やスペースをより広くすることができますよね。
そのため、ランドリールームは狭すぎず・広すぎず、最適な広さを心がけましょう。
窓がなく暗い
窓を付けることで、プライバシーに不安があったり、掃除が大変だろうからと
窓を付けない選択をする方も増えています。
もちろん窓が無くても洗濯物を乾かすことは可能です。
しかし、窓が無いことで外部からの光を取り入れることができませんので、ランドリールーム内では昼間であっても照明を付けなければ作業が出来ないこととなります。
これは好みの問題ですが、光取りのために窓を付けても良かったと考える方も意外と多いようです。
窓のないランドリールームのメリット・デメリットはコチラをどうぞ↓
ランドリールームに窓は必要?窓ありメリット・デメリット4選を住宅設計士が解説
洗面所や脱衣所と分ければよかった
コンパクトなお家にするために、ランドリールームを単独で設けるのではなく、
ランドリールームを洗面所と兼用にしたり、脱衣所と兼用にしたりする方も多くいらっしゃいます。
空間を有効活用できているのですが、「やっぱり単独で作れば良かった」と後悔する人もいます。
それは、洗面所と兼用している場合だと、
洗濯物を干している間に洗面台を使うためには洗濯物を掻き分けて行かないといけなかったり、
脱衣所と兼用にしている場合だと、せっかく除湿して洗濯物を乾かしていても入浴後の湿気がランドリールーム内に充満してしまうという理由です。
洗濯物を干す時間帯や洗濯物の量を事前に想定しておくことが大切ですね。
ランドリールーム以外の場所への室内干しを考えている方や、そもそも部屋干しってどうなのか?とお考えの人はコチラもどうぞ↓
部屋干しはどこに干す?オススメの場所と注意点【4つ】
WICを近くに計画すればよかった
最近は洋服や大きな荷物を収納する場所としてウォークインクローゼット(WIC)を計画する人が増えていますよね?
そんなウォークインクローゼットは、廊下や寝室から出入りできる計画にすることが多いのですが、
ランドリールームに近接させると、洗濯後の衣服を収納するのは楽になります。そのため家事動線が短くなり、時短にも繋がってきます。
衣服やタオル類などの収納場所はお家のどこにするのかも、事前に考えておきましょう。
家族みんなの衣服を一箇所にまとめたい!ファミリークローゼットを作りたい!
こんなご要望の方にはコチラをご覧ください。↓
ファミリークローゼットって何?メリット・デメリットも解説
LDKから遠い
「ランドリールーム内は充分使いやすいけど、LDKやキッチンから遠いので、ちょっとした合間に洗濯ができず使いづらい。」
こんな後悔もあります。
たしかにLDKにいる時間が長いでしょうから、そこから近い位置にランドリールームを設けることで家事動線を短くできますよ。
ベランダや庭から遠い
「洗濯物を室内干しだけではなく、外にも干したい!」
そうお思いの方は、ベランダやお庭など外干しの場所から近くに計画すると、より使いやすいランドリールームになります。
洗濯機から出して外干しの場所まで持って行くのは意外にも重労働ですよね。
そのためベランダに洗濯物を干す方の中には、あえて1階ではなく2階部分にランドリールームを作る方もいらっしゃいますよ。
寝室近くてうるさい
ランドリールームを寝室や子供部屋に近接して計画した方の中には
「夜に洗濯機を回すので、夜中にうるさくて寝づらい」
そんな後悔の声もあります。
もしも間取りの制約で、どうしても寝室のすぐ隣に洗濯機を置くことになる場合は
- ベットの枕元を洗濯機から遠ざける
- 防振機能のある洗濯機用嵩上げ台を設置する
など対策を考えておいた方がいいかと思います。
洗濯機用嵩上げ台についてや、防水パン無し洗濯機についてコチラをどうぞ↓
洗濯機は防水パンなしで大丈夫?|設置しないメリット・デメリット4選
ランドリールームの後悔・失敗【設備編】
スロップシンクを付ければよかった
汚れのひどいものや、繊細な生地のものは手洗い洗濯すると思います。
そのため、「洗濯機の周辺には洗面台やスロップシンクを設けたらよかった。」
こんな後悔も多いです。
ランドリールームから手洗い用の洗面台が遠い場所にある場合は、特に設置を検討してみてくださいね。
脱衣所と洗面所を分けることを考えている方もコチラをどうぞ↓
脱衣所は必要?洗面所と分けるメリット・デメリット
乾燥機や2台目の洗濯機を置けない
ガス式の乾燥機「乾太くん」を設置するのも最近は、とても人気になっています。
オール電化住宅の方は設置できませんが、ガス工事をされる方は新築やリフォームのタイミングで設置するのがオススメです。
また、家族が多い方や洗濯物によって洗い方を変えたい方などで洗濯機を2台設置する方もいらっしゃるでしょう。
その場合は、ランドリールーム内にそれらを設置するスペースが必要になります。
事前にどんな機器を置くかというのは考えておく必要がありますね。
コンセントが使いにくい
ランドリールーム内に限らず、設備の後悔に多いのがコンセントです。
「ランドリールーム内でアイロン掛けをしたいのに、いい位置にコンセントが無い」
「サーキュレーターを設置する位置にコンセントがあれば良かった」
こんな失敗のお声もありますので、これらのコンセントは絶対に計画しておきましょうね。
また、洗濯機用のコンセントの高さや位置も念のため確認しておきましょう。
物干し竿が使いにくい
ランドリールーム内での室内干しを予定している場合の多くは、
“干すクリーン”や“干し姫サマ”などの物干し竿を天井に設置すると思います。
しかし
「洗濯物を干している間にカウンターでアイロン掛けをしようとしても、洗濯物が邪魔で作業しにくい」
こんなことになっては悲しいですよね。
物干し竿を設置する場所や高さの計画はもちろんのこと、昇降可能な種類で検討するなど、物干し竿の種類についてもよく考えましょう。
もちろん竿の長さや本数によって、家族みんなの洗濯物が干せないことにならないためにも洗濯物の量と場所の確保もしておきましょうね。
家族4人分の洗濯物を干すには大体物干し竿2本で丁度良いのですが、これについて詳しく知りたい方はコチラをどうぞ↓
ランドリールームの最適な広さは2帖〜3帖!オススメ理由と設計ポイント解説
収納が少ない
「ランドリールーム内に衣服を収納したかった」
「ハンガーや洗濯用品が出しっぱなしになっている」
そんな失敗事例もあります。
先ほどもお伝えした“WICを近接させる”方法もありますが、そもそもランドリールーム内にどの程度の収納が必要かというのは事前に検討しておきましょう。
一般的にランドリー内には
- 洗剤や洗濯ネットなど「洗濯」用具
- ハンガーや洗濯バサミなど「干す」ための用具
- アイロンなど「畳む」ための用具
これらは最低限収納できると使いやすいランドリールームにすることができます。
備え付けの収納が作れない場合は、既製品の収納棚を設置するなど考えてみましょう。
湿気がこもる・洗濯物が乾かない
ランドリールームに窓を付けない方も多いですが、窓がないことで「湿気がこもって洗濯物が乾きにくい」
こんな後悔をされる方もいます。
窓を開けることで換気ができますので、もちろん洗濯物の乾きは良くなるのですが、プライバシーのことを考えるとやっぱり窓は付けたくない。そうお思いの方も多いですよね。
そんなときは、サーキュレーターや除湿機、もしくはエアコンを設置することを検討してください。
サーキュレーターや除湿機は床に置くものだと移動できることもあり、手軽で導入しやすいと思いますが、エアコンをつけるとなると前もって計画しておかないといけないことも多いです。
そのため、窓のないランドリールームにする場合は、洗濯物の乾かし方をしっかりと検討しましょうね。
窓のないランドリールームについてはコチラ↓
ランドリールームに窓は必要?窓ありメリット・デメリット4選を住宅設計士が解説
カウンターが使いにくい
「ランドリールーム内で洗濯物を畳んだり、アイロン掛けをしたい」
こう考える方も多いはず。
とりあえずそのためにカウンターを設置したけれど、「狭い」・「高さが合わない」こんな失敗事例もあります。
洗濯物を畳むだけであればコンパクトなカウンターでも大丈夫なことが多いです。
しかしアイロン掛けを快適にしようとするならば、カウンターの広さは幅90cm奥行き45cm程度は最低必要かと思います。また、カウンターの高さも低すぎても、高すぎても使いづらいです。
事前に使いやすい広さと高さはしっかりと検討しましょう。
【まとめ】ランドリールームで後悔・失敗しないために
ここまで、ランドリールームでよくある後悔・失敗事例を全15事例挙げてきました。
いかがでしたでしょうか?
もちろん各ご家庭によって洗濯の方法や洗濯物の量、生活スタイルは違っていると思いますので、他にも後悔することがあるかもしれません。
しかし、せっかく一から作るランドリールームで後悔・失敗したくないのは当たり前のことですよね。そのために一番大切なこと、それは、
“洗濯するシーンを想像しながら計画すること”
です。
みんなと同じランドリールームにすれば、あなたにもぴったりのランドリールームになるとは限りません。
しかし、後悔・失敗したと考える項目はこれら15項目を読んでいただければ、ある程度網羅していると思いますので、是非参考にしていただき
あなたにとっての最高のランドリールームを作っていただければと思います。
洗面脱衣所やランドリールームに関する記事はコチラもどうぞ↓
ランドリールームに窓は必要?窓ありメリット・デメリット4選を住宅設計士が解説
ランドリールームの最適な広さは2帖〜3帖!オススメ理由と設計ポイント解説
ランドリールームいらない?メリット・デメリット3選を住宅設計士が解説
洗面所を通って入るトイレで後悔しない!メリット・デメリット解説
その他の家づくりに関する記事はコチラ↓
我が家にパントリーは必要?|メリット・デメリットを踏まえて解説
コメント