回遊動線がある間取りのデメリット|後悔しないコツも紹介

家づくり

こんにちは。

間取りの要望をお伺いする際に、最近よく聞く言葉があります。

それが「回遊動線にしたい」というお言葉です。

 

回遊動線とは、
お家の中が回遊できる、つまり行き止まりでは無くグルッと回れるような間取りのことなのですが、

回遊動線にすることで、家事の時短や、プライバシーの確保などが出来るために、間取りの質としては向上するケースも多く、それゆえ人気となっています。

しかし、

「人気だから」「家事ラクだから」「来客時も散らかりを隠せるから」などとメリットばかりに目が行って、デメリットを疎かにする方も多いのです。

 

そこで、今回は人気の間取りである
回遊動線についてのデメリット・注意点をまとめていきます。

その上でデメリットを解消できる間取りの特徴についても記載しますので、最後までご覧くださいね。

回遊動線がある間取りの注意点は?【4選】

扉が多くなる=建築費が高くなる

 

まず一つ目が扉が多くなることです。

回遊できる間取りでは、扉の数が増えるケースは多いでしょう。

例えば、上のような間取りの場合では、廊下から洗面所そしてキッチンと3ヶ所をグルッと回れる回遊動線となっていますが、

キッチンと洗面所の間の扉を無くして壁にすると、扉は一つ減らすことが出来ますよね。

一般的に扉1つでも数万円はかかりますから、

扉が増えることで建築費が高くなってしまうのはデメリットと言えますね。

 

廊下部分が増える=収納量が減る

 

次の注意点は、回遊する際には人が歩くため、どうしても物を置く場所が減ってしまうことがあるということです。

例えば上の間取りでは、

玄関からウォークスルー型の土間収納(シューズクローク)と、そして玄関ホールの3ヶ所を回遊できる間取りとなっています。

この形の良い点は、もちろん玄関ホール側からも直接土間収納に入れる点ですが、

もしも土間収納から玄関ホールの間の扉が無く、壁だった場合には、

その部分の壁にも棚を作り、靴などを収納できることとなります。↓

 

通路を作ったとしたも、収納量が十分確保出来ているのかも確認しましょうね。

 

開口が多くなる=音が聞こえやすくなる

 

三つ目は、回遊出来るということは、壁が減って開口や扉になっているということですので、
その分、空気が循環しやすくなります。

そのため、空調が効きづらくなったり、音が響きやすくなったりする可能性があります。

最近の住宅では家全体の断熱性能も高く、気密性も向上していますので
空調についてはそこまで気にする必要はないかもしれませんが、

外壁性能が高い分、家の中で発生する音は室内で反響して、響きやすくなっている傾向がありますのでご承知いただいた方が良いかもしれません。

そのためリビングから直接入れるランドリールームなどを計画してる方は、洗濯機の音がリビング側に聞こえる可能性もあることを知っておきましょうね。

 

回遊出来なくても動線が不便でない

 

最後に、そもそも回遊出来るメリットがあまりないケースです。

実はこのケースは意外と多いと考えています。

上の間取りでは、玄関ホール脱衣室洗面所キッチンと4ヶ所を回遊出来る間取りとなっています。

しかし、よく考えてみてください。

帰宅した時は、玄関洗面所に行きたいですよね。そのため玄関から脱衣室に行くよりも、もしかしたら一度LDKに入ってから洗面所に行くかもしれません。

また、来客時も脱衣室は見られたく無いプライベート空間でしょうから、LDK側から洗面所にご案内することになるでしょう。

そして洗濯をする際にも、きっとLDKにいる皆様なら洗面所のドアを開けて脱衣所に入るのではないですか?

そして洗濯物を干す際も、脱衣所で干すのか、もしくは2階のベランダで干す時も洗面所とLDKを通って2階に行くのかな、と。

そう考えると、玄関ホールから直接脱衣室に続く動線というのは不要なのではないかと考えられます。

その分の建築費を削って他のところに回した方が結果的には満足出来そうということですね。

このように、意外にも回遊動線にはメリットばかりではなくデメリットも存在することが分かっていただけたのでは無いかと思います。

 

また、都市にお住まいの方など、各階の平面的な面積がコンパクトな場合も
そもそも回遊しなくても動線が短いことも多いので注意が必要でしょう。

 

デメリットを無くす回遊動線のコツ【3選】

 

先程お伝えしたように、回遊動線にはデメリットもあるのですが、

とはいえ、回遊できる間取りというのは非常に便利だと思います。

 

そこで回遊動線にしたい方にオススメのデメリットを感じにくい間取りのコツを3つに絞ってお伝えしていきます。

 

扉を付けるなら引き込み戸にする

 

まず一つ目は、扉についてです。

デメリットでも上げましたが、回遊動線にすると扉が増えます。

扉を無くすことも考えられますが、そうすると空調が効きづらくなったり、見えたく無い部分を見せてしまうことにもなりますよね。

そこで、やはり扉は付けていただきたいのですが、その際には引き込み戸を採用してください。

引き込み戸というのは、引き戸の一種で、扉を開けたときに壁の中に扉が入り込むことで、外から見ても扉が見えない状態になる扉のことですね。

引き込み戸にすることで、扉の引き代が必要なく、家具や荷物を置きやすくなります。

もちろん見た目的にもすっきりしますので是非ご参考ください。

 

生活動線を考える

 

そして2つ目は、なんと言っても動線(人の動き)を考えることです。

回遊動線が便利なのは、①帰宅時②料理中③洗濯時④朝の身支度時4パターンのシチュエーションに特にメリットがあります。

それぞれの動線を頭の中で良くシュミレーションし、快適な動線になるように計画しましょう。

 

収納を回遊するときは中央を通路とする

 

最後のポイントは、収納部分を回遊動線の一部とする場合です。

壁際に物を置くスペースとするのが普通ですので、

その部分はできるだけ通路に使うのではなく、その部屋の真ん中を通路にした方が、収納量は格段にアップします。

例えば、上図をご覧ください。

ウォークスルー型のクローゼットを例にすると

左の図では、壁際を通路としているため、ハンガーを掛けるスペースとしては1辺の2m分だけになっていますが、

右の場合ですと通路の両側に掛けれますので2m×2=4m分を掛けるスペースとすることが出来ます。

このように部屋の広さは同じでも、実際の収納量は違いますので、

通路はできるだけ部屋の中央を通るということを覚えておいてください。

 

【まとめ】回遊動線のデメリットを知って、賢い間取りにしよう

 

回遊出来る間取りが注目されてから数年経ちましたが、メリットばかりを見てしまっては、後から後悔するケースも少なく無いと思っております。

とても便利な回遊動線ですが、この記事を読んでデメリットもあることがわかっていただけたのではないかと思います。

便利な回遊動線にするコツについても是非参考にしていただき、皆さまの家づくりで、満足できる間取りになることを願っています。

このブログでは家づくりに関することをまとめていますので、是非ご参考ください。

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