ハウスメーカーと工務店の違いは?|ハウスメーカー設計職が解説

家づくり

こんにちは。

家づくりをお考えの皆様、

そもそもハウスメーカーと工務店はどっちがいいの?

それぞれのメリット・デメリットを知りたい

と疑問をお持ちではないでしょうか?

せっかく家を建てるなら、しっかり納得して会社を選びたいですよね。

そんな皆様に、

現在ハウスメーカー勤務、そして大学院生時代は地域の工務店について研究していた私が、

それぞれの特徴やメリット・デメリットをお伝えします。

また最後には、タイプ別にオススメなのはどちらなのかについてもお伝えできればと思います。

「ハウスメーカー」「工務店」とは?特徴は?

ハウスメーカーの特徴

まずハウスメーカーとは、テレビCMなどで見る機会も多い「積水ハウス」「大和ハウス」「住友林業」「ヘーベルハウス」、、など

多くが「〇〇ハウス」「〇〇ホーム」という名前で知られる企業のことです。

特徴としては一つ目に、

ほぼ全国展開されているために、全国どこに住んでいてもモデルハウスやショールームを通じて実物件やイメージを掴みやすいです。

また大きな会社なので、施工品質が均一でアフターフォロー体制も整っており

「なんでこんなことになった!?」という不満は生じにくいと思います。

「設定商品」が存在することも一つの特徴です。

大きな会社ゆえ、建てる住宅の数も格段に多くなります。

そこで商品を大量入荷することでコストを抑えています。基本的にはその設定商品から各商品(水回り設備、内装、外装など)を選ぶことになります。

工務店の特徴

工務店といっても大きくいくつかの形態に分かれています。

1.地域密着型の工務店

2.フランチャイズ加盟している工務店

3.ビルダーとして建売住宅に力を入れる工務店

一つずつ解説していきます。

地域密着型の工務店

これが最も皆様の工務店イメージに近いのではないでしょうか?

社員は数人〜30人程度、地域密着での営業活動を行い、設計や施工を1人の社員が責任持って管理する。

そのようなイメージです。

担当者も一度にたくさんの物件を抱えるわけではないので、信頼関係は築きやすいと思います。

肌感ですが、地域密着型は工務店の中で最も多い形態ではないかと思います。

フランチャイズ加盟している工務店

他企業にフランチャイズ加盟している工務店もあります。規格や工法を共有してもらえる上、材料もまとめて仕入れるために建築コストを抑えることが可能です。

建てた物件数に応じて仕入れ材料の費用に割引があったりするそうなので、たくさん建てる工務店のほうが、同じ住宅でもお安く建てられるかもしれません。

工務店のホームページに他企業リンクが貼られていたらこの形態の可能性大です。

ビルダーとして建売住宅に力を入れる工務店

工務店の中には建売住宅をメインに扱う会社もあります。そのため施工エリアも広く、営業活動も積極的ですのでモデルハウスがあったりします。工務店ながらハウスメーカーにもっとも近い存在となっています。

そのため、完全なオリジナル住宅というわけではなく、ある程度独自に規格化された住宅が多いことも特徴です。

両者の違い

ではハウスメーカーと工務店の違いについて項目ごとに見ていきましょう。

デザイン性

これは会社によるので、一概に言えません

ハウスメーカーはインターネットや展示場で実際の家を見る機会が多いでしょうから、完成形をイメージしやすいと思います。

また、部材や色柄も選べる範囲がある程度限られているため、余程のことがない限りは、普通に良い仕上がりになります。

反対に工務店の場合は、「工務店さんとお客様のセンスによる」というのが正直なところです。

とくに地域密着型工務店さんの場合では、木質感を全面に推し出したデザインや、類に無いような見た目の住宅を作っている会社もあります。

そのようなオンリーワンな見た目にしたいならありですが、逆に工務店やお客様にセンスが必要になるという点もご留意ください。

コスト

一般的に言えば、工務店に軍配が上がります。ハウスメーカーは人件費や研究費、広告費にお金をかけていますから、一軒一軒の建築費用は高くなる傾向にあります。

そのため、コスト第一!の方は工務店も検討するほうがいいと思います

アフターフォロー・メンテナンス

ハウスメーカーに軍配が上がるのではないでしょうか?

ハウスメーカーのメンテナンスは関連会社が請け負っていることも多いですが、経験豊富な面は嬉しいです。また、無償の補修期間も年々長くなっており、今では30年〜60年まで保証する会社がほとんどです。倒産リスクを考えても、この部分はハウスメーカーが勝ちなのではないかと思います。

しかしもちろん、工務店の中にはメンテナンスに力を入れている会社もあります。私が研究でお世話になった工務店では、年1回の無償点検を毎年行っていました。メンテナンス関連については、直接聞いてみるのが1番ではないかと思います。

断熱性能

断熱性能は、主に窓サッシの性能と壁に充填する断熱材の性能が大きく関わってきます。

私の肌感にはなりますが、おそらくハウスメーカーと工務店は大きく変わらないと思います。

というのも、ある程度以上の性能になると身をもって断熱性能を感じることができないからです。つまり、両者ともに最上級の性能ではないが、何不足なく十分断熱性能を評価できるということです。

しかし、補足しますが、ハウスメーカーは社内一括して同程度の断熱性能となっていますが、工務店の場合は極端に断熱性能が優れている・劣っている場合もあることは心に留めておいてください。一つの目安としてZEH(ネットゼロエネルギーハウス)について触れている会社は少なくとも問題ないのではないかと思います。

耐震性能

正直、ハウスメーカーの方が耐震性能は良いと思います。

もちろん工務店でも耐震性能に力を入れる会社は多いですし、実際に耐震等級3を取得しているのも事実です。しかしそれはハウスメーカーの住宅も同じで、ほぼ耐震等級3の取得は大前提となっています。

加えて、ハウスメーカーでは耐震性能を測る実棟検査を何千回と行っていますし、各社総力を上げて独自の構法を開発しています。そのため、どちらかと言うと、ハウスメーカーなのではないかと思います。

施工技術

施工の技術が住宅性能に大きく関わってきますので重要ですよね。結論から言うと、大きく変わらないと思います。

というのもハウスメーカーであれど施工は提携する地元の工務店や大工さんが行うことがほとんどです。そのため、大きく差はないのです。

しかし、ハウスメーカーの場合は規格が決まっておりますので、大工さんの現場加工はほとんどなく、施工精度のばらつきは少ないと思います。一方で工務店の場合、現場加工が多かったり、複雑な工法で建てることになるといったように、現場の大工さんの腕次第な部分は多いかもしれません。

工期

ハウスメーカーのほうが一般的には早い傾向にあります。

特にユニット工法を採用するメーカーでは、2ヶ月あれば住宅が完成すると言われています。他のメーカーでも4ヶ月程度で完成するでしょう。

反対に工務店では先程お伝えしたように、現場加工しながら住宅を作っていきますから、完成まで4〜5ヶ月はかかると思います。

そのため少しでも早い方が良いと思われるのならハウスメーカーがオススメです。

工期は少し長くても大丈夫な方、実は工務店は工事中にイベントを準備してくれていることもあります。例えば、柱に手形を付けられたり、塗壁を塗るのを体験できたり、そういった思い出づくりに注力する会社もありますので、相談してみると良いと思います。


結局どっちがオススメ?

どちらもメリット・デメリットがあるのは分かったけど、結局私にはどっちがオススメなの?

そんなお声にお応えします。

それは各自がどの項目を1番重要と考えるかで変わってきます。

ハウスメーカーがオススメの人

・建てる前に実物件を見たい方

・トータルでプロデュースしてほしい方

・耐震性能は譲れない方

・手厚いアフターフォローが欲しい方

工務店がオススメの人

・コスト最重要の方

・オンリーワンな住宅を作りたい方

・家づくりをじっくりと楽しみたい方

・信頼する工務店を知っている方

まとめ

この記事では

・ハウスメーカーと工務店の特徴

・両者の違い

・結局どちらがオススメなのか?

について書いてみました。

お家づくりは大イベントですから、信頼できる担当者・会社を探して、あなたに合ったお家を建てることをオススメします。

まずはお近くの住宅展示場に行ってみたり、インターネットで検索してみてください。

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