梁を見せる天井でお洒落にするには|メリット・デメリット【10選】
本来は天井裏に隠れている構造材“梁”を見せる天井は、空間のアクセントになり人気の高いデザインのひとつです。
梁を見せるために天井を高くすると、空間も広く開放的に感じられるなど魅力もたくさんありますが、もちろんデメリットも存在しています。
こんな疑問を抱えてはいないでしょうか?
「梁見せ天井のメリット・デメリットって?」
「梁の見えるお家は憧れるけど、実際どうなの?」
「木造住宅でなくても梁見せってできる?」
そこで今回は、住宅設計士として働いています私が、梁見せ天井のメリット・デメリットをセットで解説していきたいと思います。
是非家づくりの参考にしてみてください。
梁を見せる天井とは?
まずは、梁を見せる天井の事例からご紹介します。
写真:不二建設株式会社
梁を見せる天井とは、このように天井に木材が見えていることをいいます。梁が4面見えているようなものもあれば、梁の上部が天井にくっついているものもあります↓。
ちなみに梁というのは、横方向の構造材のことを指しており、上部からの荷重を柱(鉛直方向に立てる材)に伝える役割を果たしています。
梁は本来天井の中に隠しているのですが、それをあえて見せている天井を“梁見せ天井”と言います。
では早速、梁を見せる天井について、メリットとデメリットを見ていきましょう。
メリット(4つ)
天井が高くなり開放感が出る
普通は天井裏に隠れているはずの構造材を見せるわけですから、その分天井を高くすることができます。そのため、空間が広くなり開放的に感じることができるでしょう。
そのため間取りの兼ね合いで広くできなかったお部屋に導入することで、「床面積は変わらずに部屋を広く見せたい」というご要望にピッタリの方法です。
内装にアクセントができる
白い天井や壁に木質感ある梁があることで、お部屋のアクセントになるでしょう。
そのため、温かいイメージのお部屋にすることができます。
また、その梁にハンモックやシーリングファンを付けたり、観葉植物を吊り下げるなどしても、より楽しく個性的な空間にすることができて楽しいと思いますよ。
梁の経年変化を楽しめる
本物の木材の場合は、紫外線や乾燥などによって色合いに変化が表れます。
梁に塗装をすると経年変化は起こりづらいのですが、塗装をしない場合は、お家が家族と一緒に育っていくような気持ちになれるのも面白いポイントです。
塗装していない梁は比較的明るい色をしていますが、年々濃い色になっていきますよ。
天窓を付けると部屋が明るくなる
梁を見せる天井の中には、その部分を吹き抜けにしたり、勾配天井にするケースもあるでしょう。その場合は天井部分に天窓を付けることが可能なこともあります。
天窓を付けると、太陽の光がダイレクトに降り注いできますので、部屋が明るく感じられるでしょう。
狭小な敷地など、明るさを取りいれにくい場合にも役立つアイデアかと思います。
デメリット(6つ)
梁見せ天井のデメリットもご紹介しておきます。
費用がかかる
梁を見せる天井は、普通に梁を隠して天井を貼るよりも費用がかさむことはデメリットと言えるでしょう。
費用は、梁の本数や、天井の形状・面積によって変わってきますが、数十万円程度は費用がかかることも多いです。
そのため、玄関やリビングなどのメインになっている空間に梁見せ天井を採用するケースが多いのではないかと思います。
ヤニがでる
本物の木材で梁を見せる場合、どうしても長年住んでいると、木材からヤニが滲み出てくる可能性があります。
樹種や塗装の分厚さにも影響してきますので、事前に確認しておくと安心かもしれません。
掃除に手間がかかる
写真:Techno Home
梁を天井から離している場合、梁の上部にはどうしてもホコリが溜まってしまいます。梁は高い位置にあるので掃除するのはやはり大変です。
梁の掃除には、3〜5mほど伸びる高所用のモップやハタキを使っていただくのがオススメです。
一方で、梁の上部が天井にくっ付いているタイプの梁見せ天井の場合は、上部にホコリが溜まらないので、掃除の心配は少ないですね。
防音性能が劣る
梁を出すために天井を高くしている場合は、その分天井が薄く作られています。
そのため、上階のお部屋の足音など“音”は響きやすくなってしまいます。
もちろん、断熱材を入れるなど対策はできますが、音の振動は構造材を伝わり、梁見せしている梁にも伝わってくるので、断熱材で全てをカバーできるという訳ではないのです。
梁見せするお部屋の真上には、寝室など日中は使用しない部屋にすると、足音が気になることも少ないですよ。
照明器具の配置は注意が必要
梁見せ天井で吹き抜けや勾配天井とする場合には、照明器具の設置方法に注意が必要です。
吹き抜けの場合は、照明を設置する天井がありませんので、壁に付けたり、梁に付けたりと、しっかりと明るさを確保できるようにしましょう。
勾配天井の際も、照明の種類によっては斜めの天井に設置できるものとできないものがありますので、事前に確認しておきましょうね。
吹き抜けについてのメリット・デメリットをもっと知りたい方はコチラもどうぞ↓
吹き抜けのあるリビングで後悔しないために知っておきたいこと
光熱費が割高になる
梁を見せることで天井が高くなると、その分部屋の容積が増えますので、冷暖房にかかる光熱費は割高になります。
また天井が高くなると、エアコン機器を購入するときにも通常より大容量のエアコン機器を購入しないと、部屋がなかなか快適な気温にならない。といった不満につながることとなります。
日々の家計にも直結してくる問題ですので、注意が必要ですね。
【補足】耐震性は変わりません!
建物を支えている梁が露出していることで耐震性に不安を覚える方もいるかと思いましたので、補足でお伝えしておきますが、
耐震性については心配いりません。
住宅を建てる際には、耐震等級など規定がありますし、建築基準法の基準をクリアすることが必要です。そのため、地震に弱い家はそもそも建てることができません。
梁を隠すための天井材となっているボード材は構造とは関係していませんので、天井を貼らないデザインの他、どんなデザインにしても強度が落ちるというわけではありませんので、安心してくださいね。
構造材以外で梁見せ天井ができる!?
「我が家は鉄骨住宅だけど、梁見せ天井って可能?」
「見せる梁は後付けできる?」
こんな疑問をお持ちの方、
実は梁見せ天井は、構造材以外でも可能です。
「化粧梁」というものを後からつける方法があります。
補強が必要になるので、予め設置位置を想定することは必要ですが、鉄骨住宅である場合や、リフォーム予定のお家でも対応できるのは嬉しいですね。
ちなみにですが化粧梁は薄い木材を鉄骨等の表面に貼ったような材料が多いので、構造材である木材の特徴である経年変化やヤニの発生はありませんよ。
【まとめ】梁見せ天井のメリット・デメリット
梁見せ天井は比較的簡単にデザイン性をアップできるため、内装にアクセントが欲しいとお考えの方には是非オススメしたい方法です。
メリット・デメリットの両方を知り、予め対策を考えておくことで後悔も少なくできそうですね。
梁を活用して、お洒落で素敵な空間を作っていただければ幸いです!
このブログでは、家づくりに関することをたくさん書いています。是非他の記事も参考にしてくださいね。
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